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武蔵丸が初賜盃を全勝で飾った名勝負
ともに大関同士の対戦。
立ち合い貴ノ花は左で張って素早く左上手を取り、武蔵丸の突っ張りを封じて右差し、頭を付ける。
武蔵丸は右下手を取って左からおっつける。
土俵中央の激しいもみ合いから、ついに右上手を取った貴ノ花がこれを強烈に引き付け、赤房下に猛然と寄った。
武蔵丸は土俵際弓なりになりながらもグイと踏ん張り、左廻しを渾身の力で引き寄せつつ、体を右へ捻って打っ棄ろうとした。
そうはさせじと貴ノ花は改めて右上手を取り、正面から体を浴びせて寄り倒しにかかった。
しかし武蔵丸の執念と怪力はこれに勝り、まさに起死回生の下手投げとなって大逆転、貴ノ花を大きく裏返した。
23秒0の大勝負は、武蔵丸が貴ノ花に3連敗の雪辱を果たすと同時に、昭和62年(1987年)の大ノ国以来の全勝初優勝の偉業達成となった。
「廻しを取られて駄目かと思ったけど、知らない間に体を捻って相手の上にいた。その前に何が起きたのか、何も覚えていない。」
武蔵丸親方のうれしい述懐である。













